the hakata rock & photo magazine BEATMAKS #2
陣内孝則
− 博多で一発キメたいと思ってる −
●構成/沖田優子   
From HAKATA with Love & Peace since 1981
 7月2日、渋谷エッグマンの椅子はほぼ埋まっていた。この日は陣内孝則、約1年半振りのステージ(正確に言うと、6月にルイードのステージを踏んだが)。バック・バンド、フェイス・ダンスの準備が整うと、青いスーツにサングラスの陣内登場。「ヒート・ウェイブ」で始まったステージは、1部から2部、アンコール合わせて全18曲。ノリのよいスローな曲、サンハウスの「魅惑の宵」や「かわいいあの娘」「涙のモーターウェイ」等、懐かしい曲や、「スーパー・スーパースター」を始めとする新曲数曲による構成で、なかなか飽きさせない楽しいステージを観せてくれた。
 今回はその陣内孝則に、今後のステージ活動レコーディング、また銀座博品館劇場で公開されるミュージカル「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」について語ってもらった。

「旋風児」は俺にとって貴重なアルバムになる。


 2日のステージの調子はあんまり良くなかったね。というのは、音自体はいいんだけど、今やってるのは実験的なステージだからさ。
つまり今まであったものを始めるってこと。だから、まだ十分なステージっていうのは出来てなかったね。
陣内孝則 (jul84) photo by Mari Hasegawa 「旋風児」から1曲もやらなかったのは、結局俺にはやりきれんかった部分あったからさ。「人の曲」の域出れんかった。誰が歌っても同じっていうか、例えばもしかして五木ひろしが歌ったらもっとよかったかも知れんしね。でもあの時期は、俺小林旭よう聴いとって好きやったし、あれはあれでいいと思ってる。
 あのアルバム聴いて、ひょっとしたら陣内は歌謡曲になった、タレントになったと感じた人も多いかも知れないけど、それはそれでしょうがないと思ってさ、やってみようと思った。あの時点では、やっぱり必要だったんやろうね。
 要するに、今はロッカーズを知らないロッカーズ・ファンがおるわけよ。つまりルースターズとかモッズが今活躍しよるわけやん?そうすると、聴いてみたくなるわけよね、あの辺を。その時にどうしてもロッカーズが出て来て、そのレコード聴いて、でそういう連中に聞くと、ロッカーズの生のステージなんて観たことない、と。そういう奴が言うには、3枚目の「シェイキン」がいいって言うわけ。
 俺はね昔、ロッカーズやってた時、3枚目すごく好きだったけど、目の前の人達にはあんまり評価されなかったわけよ。何か変に作り過ぎって言うか、考え過ぎじゃない?みたいに言われて。そう言われてたのが、後になってそういう形で評価されるっていうのは、やっぱり嬉しいね。
 だけん、「旋風時」は今の時点では、はっきり言って未消化なアルバムやったけど、今後俺がやっていってどっかで花咲いた時に、すごく貴重なアルバムになるんじゃないかと思う。案外こっちの方が評価されるんじゃないかと思う部分もある。「シェイキン」の様にね。


 以前の様にバンドを組まずに、バックを伴うという形をとったのは、俺の世界を拡げる為のバッキング・グループが欲しかったから。
 バンドをやるんであればさ、俺ロッカーズやってたよ。今、ロッカーズのメンバーそれぞれバンドやりようけど、みんなバンマス(バンド・マスター=リーダー)やっとう。で俺は……難しいわけよね。ソロになった時に金で横っ面はたいていいスタジオ・ミュージシャン集めることも出来るし、そういう人はいい演奏も出来るわけ。でも決してホットじゃない。譜面通りにものを解決する人達やから。だけん、そこにホットなものを感じさせようとした時、バックは現実に生で、ライブやっとう奴集めた方がいいと思ってさ。で谷に協力してもらって集めたのがあのメンバー。


 フェイス・ダンスのメンバーは以下の通り。
 谷 信雄(g.)
 岩清水ヒロキ(b.)
 藤サカナ(key.)
 武野マサフミ(sax.)
 江川ゲンタ(ds.)


 メンバーはみんなこっちで集めた。うん、友達。こっちの人間もおもしろいよ。初めは話し合わんかなーと思ったけど、新しい血が入るっていうのはいいよ。
 九州の人間同士集まってバンド組むのも、もちろんそれなりのよさがあるわけ。ただ、そこにできる九州のノリと、俺がこれからやろうとしているものはちがう。ロッカーズを超えたものを創ろうとした時、やっぱ新しい血があった方がいいと思ったわけ。ロッカーズっていうのはスゴいパワーがあったバンドやけんね。自分で言うのも何やけどさ。1+1+1+1+1で5にならんで10にしたバンドやけん。そうすると新しく音作る時にそこに普通の数字は集めたくないわけよ。俺あれ以上の人間九州で集められる自信ないしね。新しくメンバー集めたのはバックっちゅう前提もあったし、案外東京の人間とやったら面白いかもっちゅう発想があった。












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<原本発行 1984年8月20日/復刻初版 1998年9月1日/改訂三版 2004年4月13日>
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