the hakata rock & photo magazine BEATMAKS #2
陣内孝則
− 博多で一発キメたいと思ってる −
●構成/沖田優子   
From HAKATA with Love & Peace since 1981
マイナーのかっこよさってあるけどね…。


Black50はこの間、新宿ルイードにシェイクスとモダン・ドールズと演った時観に行ったけど、Black50はあの中で一番プロフェッショナルなバンドやな、と思った。要するに演出だとかバンドの見せ方。ビートのキレは何かシェイクスが一番良かったみたい。あのバンドはルースターズの系列やね。ルースターズはめんたいの中で一番ビートがキレてたやん。池畑のタイコがピカ一やったから。
モダン・ドールズはカラフルなバンドやね。三者三様で甲乙つけ難かったんやけど、Black50はプロ経験者が多いだけに、それだけエンターティメントの要素が多分にあったね。
アクシデンツはみんなひと通り一緒にやってきた奴らやけんね。タイコの修二にしてもギターの後藤や樋口にしても、陣内孝則 (jul84) photo by Hiroko Takahashi原島や穴井にしてもね。頑張って欲しい。
一言言いたいのは、どのバンドにしてもマイナーに逃げて欲しくない。いい意味でのマイナーなバンドって言うのは、カッコよくなきゃダメと思うわけ。マイナーはカッコよさが命やけん。メジャーであれば多少のダサさは構わんわけよ。そのマイナーのカッコよさが人によっては美しくカッコよく見えるけど、マイナーに走るって言うのは、俺、逃げになると思う。
俺はできるだけ逃げんでおこうと思ってさ。マイナーとメジャーのカッコよさの違いっていうのは、マイナーのカッコよさっていうのは、一部の人間を熱狂させることが可能なわけ。強烈な印象で強烈に悩殺できる。ある意味じゃマイナーのカッコよさだったかも知れん。逆のメジャーのカッコよさっていうのは発言力だと思う。マイナーな人間が「あいつダサいよ。」ってメジャーな人間の事言っても、そのメジャーな人間が一言言えば100万人が動くかも知れんやない?それこそ万単位の人間がコンサートに来るかも知れんわけ。それは俺カッコいいとしか言いようがないもん。「俺はパンの耳は食わん。」とか、どうでもいい事をミック・ジャガーが言ったらカッコいいやない?やっぱロックン・ロールやね、と思うやない?
結局、最小公倍数で勝負するか、最大公約数で勝負するかの違いなわけよ。だから、(と3つの円が重なるペン図を描いて、その3つが重なる部分を指しながら)マイナーのカッコよさっていうのはここ。ここの部分で勝負してるわけじゃん。俺はやっぱり今後は(3つの円全てを斜線で引いて)ここの部分で勝負したいと思ってるからさ。そこまで納得させられるものをやりたいと思ってるわけ。
要するにビートの速さだとか、曲の好みって言うのはさ、ある程度飽きられるものだと思うんだ。キャラクターでひきつけるものがないとね。そこにいい曲が加味されてきたら言うことないやん。そういう風にしていきたい。


8月のミュージカル終わったら、本格的にステージ活動に戻ります。9月にレコーディングに入って、11月末か12月頭にLP出します。これは全てオリジナル。で、来年につなげたい。ミュージカル12月の再演は下手すると全国ツアーもやるって言ってた。もしそうなったら博多行きたいよ、ほんと。
俺最近、ロック・ショウっていう雑誌でレコード評書いとるから、新譜が結構俺のとこに来るったい。最近いいなって思ったのは、ニック・ヘイワードとか最近のマッドネス。昔のスカやなくて、モロ、ロキシーとかボウイを意識してる感じの。
人のコンサートあんまり観にいかんね。あ、Mバンドは好き。ボーカルのタカシからよく電話あるっちゃね。クサめのやつが好きやけん、お互い。あと友達のバンドは好き。ルースターズ、モッズ、ARBあたり。ああいう奴らには頑張って欲しいし、メジャーになって欲しい。もうひと皮むけたら絶対ヒット・チャート占領出来ると思う。


 去年の11月、モッズのステージに飛び入りしたわけ。そん時さ、リハも何もなしに、「あれ行こう。」って「バイバイ・ジョニー」「ルート66」なんかすぐ出来るわけ。ものすごくカッコよく。そういう時、「あ、博多やね!」と思うね。でもめんたいロックって言われて、俺達と違うタイプのバンドには「博多」っていうのがマイナスになったやろうね。だけん、どんどん違うタイプのバンド出たらいいと思う。意表をつくようなバンドに出て来て欲しいね。


 とにかく頑張りますんで。博多ではキメようと思ってる。一発。解散コンサートの代わりってわけやないけど、ロッカーズの連中集めて何かやりたいと思ってるしね。どっか今だにひかかってるっちゃね、博多でやってないってことがさ。俺全て博多から始まっとるけん。そういう時期とタイミングが来て、みんなの了解が得られたら、その時だけでも再結成してさ、やりたい。
(7月5日 / 青山・喫茶PMSにて)


 「忙しい時の方が、かえって曲が出来る。」と語る陣内孝則にとっては今のような時期――――ミュージカルの準備、更にファン待望の音楽活動再開を控えた――――が、一番エンジンのかかる時なのかも知れない。そういった意味では現在最高に充実している状態なのだと思う。
 9月からのステージ、今年末に出るLPに期待して、また今度。

(お詫び:前号「ネルソープ・コンサート・レポート」で「ボーカルのおにいさんは北九州出身」と書きましたが、あれは博多の誤りだと陣内氏に指摘されました。ネルソープのみなサマ、ゴメンなさい!)














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<原本発行 1984年8月20日/復刻初版 1998年9月1日/改訂三版 2004年4月13日>
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