the hakata rock & photo magazine BEATMAKS #4
− テラモッちゃんのゴックン・ロック通信 第4回 (1) −
狂気のダイヤモンドの結晶構造解析
by 寺本祐司
From HAKATA with Love & Peace since 1981











狂ったダイヤモンドはピンクフロイドのメンバーが
シド・バレットに贈ったラブソングである。

 −1−

福岡最強の伝説の人物、山部善次郎が復活した。キャリアとガッツそれにパワーは福岡でナンバーワン。いや日本一かもしれない。
その日本一の山部善次郎の"ヘイ、ヘイ、ストップ"を聞いた。
"ヘイ、ヘイ、ストップ"は音楽、一つの曲というよりは音楽になる以前の一つの魂のカタマリみたいなものである。いわば巨大な岩石そのものである。
原始時代に恐竜がうようよ歩き回っている広野に横たわる巨大な岩石のようなものである。
単にロックなる一言でかたずけてしまうのはおしい。イントロのギターは山部善次郎本人が弾いたものらしいが、ギターを弾くというよりも、山部善次郎の根性が弦を叩いているようなイメージがある。大胆なチョーキングには、彼の言いようのない怒りが感じられる。
歌詞はとてもシンプルなもので、始めから最後まで山部のダイナミックな叫び声と気合が"シュパーッ""オウ""ハッ"….と満喫できる。全てのシャウトが彼の魂の叫びであり孤独の叫びである。
サビの部分にはキャプテン・ハードロック氏のキーボードがふわっとかぶさり、
"無理をしてるんだね…."
と山部の優しい語りが入る。
音楽以前の音楽。巨大な岩石のカタマリそのままの"ヘイ、ヘイ、ストップ"が風に吹かれて雨にさらされて、つるつるの漬物石みたいになったら淋しい気がする。いつまでもそのゴツゴツした岩石でロックンロールキッズの頭をドツキ回して欲しい。

  −2−

CBSソニー・オーディションCBSソニーのオーディションを観た。前から3列目までは審査員の大先生方が、あるいは腕を組み、あるいは口をへの字に曲げて坐っていらっしゃる。
僕は神出鬼没だから、ちゃんと前から4列目に同じように腕組みをして、口をへの字に曲げて、ついでにミケンにシワを寄せて坐っていた。
キッズ、ハカパラ、セルロイド、ニューズ、ジャンキー、流異….。なかなかの豪華メンバーだ。
"おおっ、次はジャンキーか!"
ジャンキーには是非頑張って欲しい。
伝統のロック王道を行く正統派ロック。特に桜井のボイスには捨て難いものがある。
"ストリートロッカー"を含む2曲が終る。司会者が桜井を呼んで一言二言話をする。桜井笑う。司会者が審査員に質問を求める。審査員が質問する。桜井答える。
……
……
ジャンキーだけでなく、どのバンドも質問には丁寧に答えて、行儀が良くて、品が良かった。
さすがはオーディション。
"スター誕生のチャンピオン大会"を見ているようだった。
やはり、就職の面接みたいなもんだから、そうならざるを得ないけど….。こんな時救世主山部善次郎がやって来て、司会者に水をあびせかけ、審査員席に漬物石でも投げてくれたらなと、一瞬暴力衝動に駆られた。
"やかまし、そげなこまい事言うな。ロックンロール、分らんとかいな!たいがいしとけよ"
と言ってマイクスタンドを蹴飛ばして帰る。颯爽としていいなと思う。
キッズは、そんな中で意外とあっさりしていた、特に千葉ヒロシはいつものふてくされた表情で乱暴にベースを弾いた。桐明孝治は少しミスをすると"ダメだこりゃ"と舌を出しながら演奏した。でも2曲目の"ヒトハタ"には後半にいつもの気合が感じられた。
審査員の質問から類推して、曲作りの良さを評価されているようだった。
キッズは一番拍手が多かった。僕も口をへの字に曲げたまま一生懸命拍手をした。
……
審査員席で一番不気味なのはFM福岡の川本ディレクターだった。一回も質問せずにずっと恐い顔をして坐っておられました。
オーディションが終ってホールを出ると、すぐ前のベンチにモダンの佐谷光敏が友人と一緒に坐っていて、何か話をしていた。
……



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<原本発行 1984年12月20日/復刻初版 1998年9月17日/改訂四版 2004年3月28日>
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