the hakata rock & photo magazine BEATMAKS #4
THE MOODS COMES ALIVE
- part-2 -
Interviewer : F.Mayle (BEATMAKS)
From HAKATA with Love & Peace since 1981










●なるほど。今話に出た「勝手につけられたイメージ」のことですが、例えばファンの抱いているイメージとモッズが抱いているイメージとにギャップがあって、それに縛られたりなんていうことはないですか?
森山=「ルック・アウト」を出した頃にはそれを感じたね….。どうしても演りたい音楽はあるんやけど、それに対する方のイメージが小さすぎて。プレッシャーもあったし、すごく疲れた頃だった。ファンのためにこれを演らなくちゃいかん、ファンのために全てを、いう気になり出してね。じゃあ、何のために演ってるのか。俺達好きでしようわけよね?楽しみたいためにロックン・ロール演りようわけよ。苦痛で演るもんじゃないよ、ロックて。そう思った時もう開き直ってね、もう出る音出る音すなおに出して行こう、ちゅうことでああいうアルバムを作ったんよね。最近は俺達のそういう姿勢をファンもわかってくれたみたいやし。そういう小さなところでどうこうちゅうバンドやないっていうのをね。

●じゃ今はいい方向に向いてるってことすね。
森山=うん、徐々にね。

●いい意味でアマチュアの頃に戻たっていう感じですか?すなおに演りたいことやってくっていうのは….。
森山=そう、そういう意味じゃね。アマチュアの頃っていうのはプロになりたいしさ、受けたいし、これで金を儲けられたらなあ、とかいろいろ思うやない?俺だってやっぱりそうだったし….。ところがさ、じゃプロになるっていうと、いろんな約束事とか出て来て、客に対するプレッシャーとか、もういろんなことが振りかかってくるわけ。例えばアマチュアの時はメンバー4人だけが良ければそれで良かったわけじゃない?今日が楽しければ、とかね。ところがこれにスタッフが付いたり、レコード会社の人間が付いたりして、みんな生活かかっとるわけよね。金勘定だけで計算してくる奴もいっぱい出てくる….。俺達が音楽しようことだけでね。すると余計なことまで考え出してしまうよね?「あ〜、あれ演りたいけど演っちゃだめかな…?」いうふうな、いかん考えも人間だから出るよね。

●そうなってくると出す音の方も….。
THE MODS at 小倉市民会館(980831) photo by K.Yarimizu森山=たまに不安になる時があるよね。音楽を冷静に見れるかって言うと、そんな時は。要するに音楽とはハズれた世界を知ってしまうワケだから。そんな時は、ああアマチュアん時は好きな時にブッキングしてステージ演って、、受けんかったらクソ!受けたらやった!いう世界やったからね、良かったともたまに思うよ。誰でもそうやろうと思うけど、そんな頃ってほんと、一番いい音楽しよう思うわけ、ほんとキラキラしたね。その頃に戻れりゃいいけど、実際はそんなこと出来ないから、気持ちだけはね、これから先10年たとうが何年たとうがそのまま保っていくのが、一番すなおな音楽を作る最高の方法だしね….今までと違うことやると、せっかくついて来てくれたファンを手離すことになるかも知れませんて、そん時はやっぱり恐いよね。でもマイペースで進んでいく方が結局はいい音楽作れるし、わかってくれとう奴らはそのままついて来てくれるしね。

●話は変りますが、今年春頃ロンドンに行かれたでしょ?その時「やっぱり俺達は日本人だったと改めて感じた」と言われていましたけど、その辺のところを詳しく聞かせて下さい。
森山=始めは単なるあこがれから出発してね….。ほんといいもんもたくさんあるし、すごい面白いこともいっぱいあるしね。特にロックに関しては今の日本の数倍いいもんがあると思うわけ。ちゅうか、極端な言い方すれば音楽いうたらロックしかないんよね。その中でいろんなジャンルがあって、今流行のやつもちゃんとロックしとうし、それこそフィフティーズのロックン・ロール・バンドもあれば、ブルース・ロックやフォーク・ロックの素敵なバンドもある。それが全部ロックとして成り立っとうわけよ。日本じゃまだまだロックっていうのはメジャーじゃないし、しっかりした世界じゃないやろ?だから向こうの奴はハンパじゃないよね。ロックしかないわけだし、逆にそうだから中途半端なこと出来んわけよ。だからショッキングなバンドとかどんどん出て来る….。だけどいざ俺達がそこでレコーディングしたところで変りないわけよね。結局さ、イギリスのナントカスタジオでどうのこうの言っても、あんまり変らんわけよ。ロンドンでやっただけいいもんが出来たのか、そうじゃないのか、わからんよ俺には(笑)。ただ没頭は出来るよね。日本やったらさ、遅刻はするしさ、苣木にレコーディング任して俺飲みに行ったりさ(笑)、そんな時間がまずないわけじゃない?遊びに行くちゅうても場所知らんしさ、結局レコーディングしか残ってないから。だから思うね、海外録音?なんぼのもんやって、最近。

●結局日本人のやることだってことですね。
森山=そう。だって生まれた時から日本に住んでて、日本語話して、日本食食ってさ、20年間。音楽のことだけじゃなくて、その周りの生活環境がね….。だって博多から東京行っただけで、「ラーメンが違うぜ、何やこりゃ!?」(笑)ってなるぐらいやない?島送りみたいなもんよ、音楽がなけりゃ。

●島送り!(笑)
森山=だけんどう俺達あがいて、誰かのマネしてロックン・ロールば演ったとしても、しょせん俺達には日本人の血しか流れてないわけよ。そしたら日本で演るのがベストと思うたわけ。そういうロックを作りゃいいんやし。別にイギリスどうのアメリカどうの言わんでも。そういうのはラジオから流れてくる時に、ビデオで見た時に勉強しようと思うならすればいいし。長い時間飛行機に乗っていく必要ないと思うた。
北里=買い物だけやね、面白いのは。
森山=そうそう、古着とかムチャ安やしね。日本みたいに高い金出してボロの古着買うなんてことはないからね。あくまでボロは、ボロ。高いものは、やっぱり高い。
北里=正常やね(笑)。



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<原本発行 1984年12月20日/復刻初版 1998年8月20日/改訂三版 2004年3月30日>
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