the hakata rock & photo magazine BEATMAKS #5
− テラモッちゃんのゴックン・ロック通信 第5回 (1) −
福岡ロックにおける伝統技術の向上と
その潜在機能の開発
by 寺本祐司
From HAKATA with Love & Peace since 1981







NHKのヤングミュージックフェスティバルを見た。NHKがやるアマチュアバンドのオーディションである。跡部じんじ、セブンティーン、博多よしこいバンド、FENなど、全13バンドの中でグランプリが競われた。また宇佐元恭一、岡田有希子、中村あゆみのスペシャルゲストもあり、アマチュアバンドのみならず岡田有希子のファンである中高生の男の子も沢山いた。
僕は一人で行ったけど、偶然横の席に高校生の女の子が座った。彼女も一人で来ていた。
"今日は誰の応援?"
"跡部じんじさんです"
"へェ"
"跡部じんじさんてスタイルも良いし、ギターも上手いし、とにかく曲作りが最高でしょう"
"……そうね"
"お兄さんなんか、岡田有希子見に来たって感じね"
"………."
僕は雑誌の取材に来たとは言えなかった。
跡部じんじと僕はFM福岡ライブエクスプロージョンのフリーゾーン仲間だから彼の宣伝をしよう。
―――――最もポップなシティロッカー
      跡部じんじ。アイドル久留米から
      3番目のスター誕生。
最近はフリーゾーン担当DJに福岡の大スターが続々と登場するので一般人の僕は出番がない。……..と再び話はヤングミュージックフェスに戻る。
グランプリはFEN。このバンドは元通り雨の武藤俊之が結成したデュオである。通り雨はライブエクスプロージョンの公開番組、「須藤ライブ」に出場経験がある。82年の第3回目の出場バンドは、博多よしこいバンド、通り雨、テェッカーズ(!)、ヒップス、フルノイズの5バンドである。
すなわちFENは結構実力派なのである。熱演賞には元モダンドールズのメンバー在籍のセブンティーンが選ばれた。残念ながら跡部じんじは入賞出来なかった。
ゲストの岡田有希子はメタリックブルーのドレスが実に可愛かった。
……….
………..
福岡のロックには昔々のフォークのメロディアスなハートが潜んでいる。井上陽水、チューリップ、甲斐バンド……らが福岡に残したもの幾分湿っぽい、湿度のある感性である。甲斐の泣きのフレーズ、重いリズム、不良っぽいアウトロー的な詩と脱フォークしきれないノリの悪いビートはモッズの初期の作品などと共通点がある。
美しいメロディライン、どこかで聞いたことのあるような気にさせるポップな曲作りは井上陽水やチューリップの最も得意とするところである。
形式にこだわらず、どんなことでもやるバンドとしてはコミカルなヒットを飛ばした海援隊があげられる。
その他にもARB、チャゲ&飛鳥……など多くのバンドが福岡から輩出しているが、今の福岡に最も深い爪痕を残し、革新的に福岡ロックの質を向上させたバンドとしてはサンハウスがあげられる。
このバンドの音は全く脱フォークしている。メロディは完全にドライアップ、ビートは重く早い。世に言うめんたいビートのオリジナルはサンハウスにある。
一昔前までは学祭ともなればサンハウスのコピーバンドでいっぱいだった。長髪で毒々しいメイク、浮世絵のシャツを着た菊の弟分がいたり、金髪でピンクのブラウスの菊モドキが嫌いという程いた。
そんなバンドはギターはコードをガンガン弾くだけ、メロディはサンハウスのあの曲とあの曲をミックスして作ったというおそまつなバンドだった。
モダンの佐谷も人間クラブの南も当時は頭を染めていた。ルースターズのデビューLPなどはまさにサンハウスの影響が大きい。



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<原本発行 1985年2月20日/復刻初版 1999年2月12日/改訂二版 2001年1月24日>
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