the hakata rock & photo magazine BEATMAKS #7
陣内孝則
− ダンディー・ロッカーのこころいき −
From HAKATA with Love & Peace since 1981
陣内孝則 at VIVRE (MAY85) 「陣内の兄ィが帰ってきた!」5月9日福岡ビブレホールはあの"80's"を知る者から、黒づくめの若いパンクス、学校帰りの女子高生、その他モロモロのファンで超満員。みな一様に興奮している。
陣内孝則がザ・ロッカーズのヴォーカリストとして、また当時騒がれた「めんたいビート」バンドの一番手として全国へ飛び出したのが1980年のこと。スピード全開&色気に満ち溢れるステージを観たロックン・ロール・フリーク達は脳天逆落しを食らったような衝撃を受けた。

<1982年6月ロッカーズが突如の解散>

その後陣内は「旋風時」という問題作のアルバムを1枚出したきり、役者活動に専念してしまう。中でも彼が暴走族で歯医者という役で出演したミュージカル「リトル・ショップ・オブ・ホラーズ」は大当たりをとり再演されたほどだった。
しかしロッカー陣内を知る者は気が気でなかったに違いない。
「陣内の兄ィはもう歌ってくれないのか!?」
しかし兄ィはホットなステージのことを忘れてなんかいなかった。昨年7月2日渋谷エッグマンでのライブを皮切りにツアー開始。秋には久々のアルバム「夜を抱きしめて――All through the Night」発表。
そして1985年第2弾ライブ・ツアー、その日科一発目博多が組み込まれたのだ。ロッカーズ博多最後のライブから、実に3年振り。

ステージに立った水色のスーツ姿。カッと見開かれた目。まさしく陣内。バック・バンドの"Blue Boys"は平均年齢なんと22才の若いバンドだ。ジャンプ!ジャンプ!あんまり高くジャンプしすぎた陣内は天井の金具で手を切ってしまい、それでも「やっぱり博多は最高だよ!!」と歌い続けた。


TVドラマやミュージカル出演の経験を通してロックン・ロールへの取り組み型が以前と変わったなんてことは?
陣内=俺はいつもトリッキーなロッカーでいたいと思ってるんだ。

陣内孝則 at VIVRE (MAY85)トリッキー?
陣内=なんかこう、とんでもないことをやるようなね。それでミュージカルもやったんですけどね。ミュージカルの舞台踏むたびに「やっぱり俺はバンドマンなんだ」って自覚するようになって。TVドラマも結構出たけど余り評価してもらえなかった。だけどミュージカル、これは抜群にいい評価受けてね。で、ああ俺はやっぱりライブ人間なんだなあって思いましたよ。取組み方ってことに関しては以前と変わってないですね。

ミュージカルやったことは「道草」じゃないわけですね?
陣内=ロックスターの大道を行くやり方ってあるじゃない?レコード売って全国ツアー成功させて……。それもすごく大切なことだと思う。けど俺の考え方はちょっと違うんだ。自分に限界を作りたくないと……例えば芝居とライブの陣内、違うんじゃない?ってよく言われるんだけど、そんなんじゃなくてね、芝居を見た後にライブを見て「奥行き」を感じてくれればいいと思って。この前芝居やってたヘンなヤツが今日はこんなライブやってたっていうふうなね。

立体的というか、それがトリッキーってことですか?
陣内=うん。もっと「つかめない人間」でいていいんじゃないかなって思う、もっと過激に。いろんなことやってみたいし、それらが最終的にどこかでつながればいいと思う。デビット・ボウイの変化のしかたなんてすごいじゃない?グラム時代からさ、もうどんどんどんどん、予想も出来ないくらい変わっていくじゃない?

それでもって見てる側にも納得させちゃう。
陣内=ねえ?……あのさ、手品見せて驚かせる時の快感てあるじゃないですか、あれ俺すっごく好きだな。

手品?
陣内=「俺はこうだからこうなんだよ!!」なんてコブシつき出す方法ってのもあるけど、いきなり手品見せちゃう。で驚かせる。俺はそっちの方狙いたいな。ひょっとしたらこの先、まるでロッカーズみたいなの演るかも知んないし、明日っからフュージョン演るかも知んない。「あのヤロウ、どういうタマ出してくるか、さっぱりワカンネェ」そういうロッカーになりたいですね。

なるほどトリッキーだ。
陣内=大リーグにニークロって投手がいるでしょ。ナックル・ボール投げてキャッチャーも取れない。どこへ投げてんだかタマに聞いてくれ(笑)。














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<原本発行 1985年6月20日/復刻初版 1998年10月29日/改訂三版 2004年3月31日>
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