the hakata rock & photo magazine BEATMAKS #7
陣内孝則
− ダンディー・ロッカーのこころいき −
From HAKATA with Love & Peace since 1981
涼しい顔して(笑い)。
陣内=でもアリバイがなくて、ただあっちへフラフラこっちへフラフラしてるのってうわついて見えるけど、幸いなことに俺はロッカーズって言う財産をひとつ持ってるから、たとえ「自動車ショー歌」歌ったとしてもまだロックンロールだって見てくれる。もしもあれがデビュー作だったら、所ジョージが歌ってんのと同じだったかも知れないもん。

僕はあの歌すきですねェ。
陣内=あれは狙い目としては良かったんだけどねェ……甘かったですね(笑)。モッズの森やんから電話があって「いや狙い目としちゃ面白いとは思うけどね……」だって(笑)。

最近雑誌のインタビュー他で「鎖ジャラジャラの奴でも楽しめる許容量の大きい曲をやりたい」と言ってましたが、アルバム「夜を抱きしめて」の内容と関係するところはありますか?
陣内=あのレコードが実質上のソロ・デビュー作だと今は思ってるんです。結局ね、つきつめて考えた場合、聞いてる側をどう楽しませるかって気持ちじゃない?そりゃ曲は変化してきたかも知れないけど、俺自身は全然変わってないしね。奇をてらってどうのこうのってのは……まあ多少「自動車ショー歌」ん時はありましたけどね(笑い)。それ以外のとこじゃ変わってないです。そりゃ聴きに来てくれるヤツみんなわかってくれてると思いますけどね。

それからやっぱり雑誌のインタビューなんだけど、「会う人会う人にロッカーズみたいのは演んないの?って言われて俺も少し考えた」って発言がありましたよね?
陣内=やっぱりね、会うたびに言われちゃうとね、俺も考えるよね。最近(ロッカーズを)認めてくれる人が多くなっちゃって、まあ一種流れみたいなのあるじゃない?ツキのある時、ない時……マージャンやっててもそういうのあるでしょ(笑)。今はそういうの考えないけどね。で、自分でひとつだけ決めたのは「ロッカーズ否定するのはやめよう」。そこだけなのね。

否定してたわけですか?
陣内=最近は曲バンバン出来るんだけど、一時期全然出来ない時があった。とにかくロッカーズと違うことやろうとしてた。

それはいつ頃ですか?
陣内=「旋風時」を出した頃。「この次のLPは自作の曲でいこう」って決めてたから一生懸命曲作りしようとしたけど全然出来ない。そのうえ役者活動とかの方が忙しくなっちゃったからレコード・リリースのタイミングがずれちゃってさ。2年間音楽活動から遠のいてたでしょ。で一段落ついた頃にスタッフのひとりに「ロッカーズを否定するの、よしたら?」って言われてね、ハッと気づいてふっきれて……そしたらどんどん曲が書けるようになって。それで「夜を抱きしめて」が完成したわけなんだよね。

陣内孝則 at VIVRE (MAY85) ビートが効いた曲から落ち着いたナンバーまでと、多彩な仕上がりですね?
陣内=ロッカーズ・ファンは"Dancing Radio"が好きだって言うし……最近ね、ナット・キング・コールだとか、フランク・シナトラの若い頃のだとかよく聞くんだけど、そいで「ああ、こういうの作りたいなあ」なんて思うんだけど、イザ作る段になると、やっぱり出ちゃうんだよねえ、ついビート・ナンバーが出来ちゃったりとか。

折りにふれて「ダンディズム」ってこと気にされてるようですが?
陣内=うん、俺今すごく……。例えばむこうのアーティストで言えば、デビット・ボウイ独特の美学みたいなのがあるでしょ?ブライアン・フェリーにしても独特のダンティズムというかさ。そういうの持った日本のアーティスト見当たんねェなあと思って。

こころいき、ってことですね?
陣内=スタイルを模倣しようとするんじゃなくてね、もっと根本的なところでさ。そういうの求めてやってるのって、うぬぼれかも知れないけど、俺ぐらいじゃないかなって思っちゃう。

今後も役者稼業のほうは続ける予定ですか?
陣内=いい話があれば。こいつは面白いというのがあればいつでも。……ただライブをやることとアルバムを作ることの2つは絶対に中断せずに続けていこうと思う。やっぱり俺はバンドマンだし、根本的にはそれだから。そうでなけりゃ芝居やってても面白くないもん。

サード・アルバムの予定が立ってたら教えて下さい。
陣内=6月からレコーディングに入って、今年じゅうに……いや秋口にはリリースって考えてます。今回のツアーのメンバーで半分ぐらいは録音するだろうな。もうひと皮むけたアルバムを作りたいですね。










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<原本発行 1985年6月20日/復刻初版 1998年10月29日/改訂三版 2004年3月31日>
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