the hakata rock & photo magazine BEATMAKS #8
森山達也
interview
From HAKATA with Love & Peace since 1981
あの過酷な全国100ヶ所ツアーがザ・モッズに与えたもの。それは自分達がやってきたことへの確信と、これまで以上のメンバー間の結束、そして少なからずの余裕だった。以前からファンの間で人気の高かった曲、「夜のハイウェイ」のシングル・カット、アルバム"Blue"の発表に続いて彼らがトライしたのは映画だった。その映画「夜のハイウェイ」は劇場公開に先立ち全国400ヶ所で試写会が行われた。そして森山達也のソロシングル発表。化粧品のキャンペーン・ソングにも使われるこの「love、かくし色」は作曲こそ森山自身だが、作詞に麻生圭子、アレンジに土屋昌巳、バックにはスタジオ・ミュージシャンを起用、ザ・モッズの作品とは全く違ったコンセプトで作られている。確実に次のステップへの構想を練り上げている予感のするモッズ。そのリーダー森山達也に今回は迫る。

●まずやはり映画についてなんですが、森山さん自身映画はよく観るほうですか?
 昔はよく観ましたね。でも最近はあんまり観てない。忙しいってのもあるけど......昔、例えばさ、学生ん時に女の子とデートしようや、ちゅうたらやっぱ映画しかなかったじゃない(笑)。ずっと音楽やってきてね、映画も一回やってみたいな、ちゅうのはあったね。

●役者も一度はやってみたい、と?
 いや役者っていうより、どういう精神状態になるのかとかね、映画の世界っていうのを知ってみたい、ということかな。

●モッズというバンドとして映画を作る計画はどこから?
 最初はね、プロモーション・ビデオを作る計画だったわけ。「夜のハイウェイ」ちゅうシングル出すことになってさ、じゃとりあえずプロモーション・ビデオ作ろうや、ちゅうて。さあどんなん作ろうかってなった時、どうも日本国内じゃイメージが違って撮れんわけよ。風景も限られてくるしね。予算どうのこうのの問題もあったし、あんまりいいプロモ・ビデオ作れる自信がなかったわけ。うーん、どうせするならもうチョイ面白いことできんかな、って考えて「あ、映画やろう!」。始めはすごいイイカゲンな思いつきだった。でもだんだん話が盛り上がってきて、レコード会社の人間にも、やりたいんだがどうだ?って話を持ちかけたら面白いね、ちゅうてのり気になって......。だからプロモーション・ビデオで1曲やるよりも、今までモッズがずっとやってきたこと、つまり「何を伝えたいか」っていうことを大きなテーマとして1時間半ないし2時間の映画を作ったほうが、やりがいがあるし、もうひとつは俺達の好奇心も満たされるんじゃないか、そんなところで映画製作に踏み切ったわけ。

●まず何からスタートしたんですか?
 監督さんが脚本も書いとるんやけど、その脚本書く段階で、ああでもないこうでもないちゅうて議論交わして。最初の大まかなアイディアは俺達が出した。俺達のレコードも全部聴かせて、コンサートも観に来らせて、ビデオも観せて、それから俺達が好きなビデオも観せて、好きな映画も......。そういう準備はちゃんとしたよ。でも一度撮り始めると映画の世界っていうのはやっぱり監督がらしいわけよ。でも結構俺達の言葉も気にしてくれてさ、「森ヤン、ここどう?」「いや、ない方がいいんじゃないですか?」カットばっかりさせたり(笑)。

●じゃあメンバーの意見が割と反映された仕上げになっているわけだ?
 うん、そうやね......でもね、自分が求めとるものをパーフェクトに再現するちゅうのはやっぱ難しいね。

●というと?
 何やろうか、て考えたら、やっぱり日本人であるということと、日本ていう国の中で作るってこと......結局洋モノ指向なわけじゃない?今まで観て来た映画にしても、カッコいいなって思ったのは洋画やったしね。そのイメージで物事考えてしまうけど、結局映し出される絵ちゅうのは全て日本製なわけやない?そんへんのギャップは感じたね。プロデューサーから一言言われたよ。「気持ちはわかるけど、外人ていうのは出てきた瞬間、もう日本人にとってはカッコよく見えるもんだよ」例えば緒方拳にしろ日本人としてのカッコよさで勝負してるわけでしょう、って。

●映画にしろプロモ・ビデオにしろ、洋モノがカッコよさの基準になってるってこと?
 極端に言えばロックやりだしたのも、そこらへんよね。やっぱりむこうのバンド見て聴いてやない?......まあ日本の映画としてはそれなりに見て楽しい娯楽映画になったと思うし、ロック映画にもなったと思うけど。












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<原本発行 1985年8月20日/復刻初版 2001年4月18日/改訂二版 2004年4月21日>
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