the hakata rock & photo magazine BEATMAKS #8
SHEENA & ROKKETS
TO THE ROCK'N'ROLL PLANET !
From HAKATA with Love & Peace since 1981
シーナ&ザ・ロケットをはじめて観た  ●仁科正彦

 浅田孟、川嶋一秀午後4時楽屋入り。それに遅れること1時間弱、鮎川誠とシーナ到着。
 楽屋前で初めて見た鮎川誠その人は、想像していたほど大きくなかったが、やっぱり、大きな人だ。 それに何といSheena & Rokkets (850618)っても、圧倒的な存在感。忙しそうに行きかうスタッフ達、次々と訪れる訪問客、 カーテンのすき間からチラッと見える楽屋の中、そこには重そうな黒のギター・ケース。 そんな雑然混沌とした風景の中で、彼だけが浮かんで見える。
 もう開場まであまり時間もないけど、それでもシーナ&ロケットはリハーサルを始めた。 開演予定を20分程過ぎたとき、ロケットの3人が現れた。ショウの幕開けはアルバム「ロケット・サイズ」 から"Rock Is All Right"。客席から向かって左に濃茶のプレッション・ベースを抱えた浅田孟。中央には 極くシンプルなドラム・セット、その向こうに川嶋一秀。右に鮎川誠。もちろん黒のギブソン・レス・ポール、いつもの65年製だろうな。
 当日券は完璧ソールド・アウトで、当然立見席も満杯だ。この日のためにメいっぱいキメてきた少年もいれば、まったく普段着の女の子もいる。
 すでにステージ下は混乱状態だ。イキオイにつれられて前に駆け出したファンが警備員に引き戻される。そのスキを見てまた何人かのファンが飛び出す。
 鮎川誠のアクションは緻密に計算されたものではない。曲の紹介も出たとこ勝負で、ときにたどたどしかったりする。しかしそれが彼の本当に正直な、ナチュラルな気持から 来るものだということを知っているファンにとってはとびきりカッコいいアクションであり、MCなのだ。
 彼はギタリストだから、ウタもギター・プレイに似ている。サビで「オオウッ!」とウタえば、それはギターの14フレットあたりを思いきりチョーキングしている みたいだし、その直後の「イエィ!」は6本の弦全部に思いきりダウン・ストロークをカマすみたい、そんな感じのボーカルなのだ。 でも間奏になるとやっぱりガゼン顔に余裕が出て来るんだよな。

 ステージも中半戦へ突入しようというとき、川嶋がいきなり聴き覚えのあるリズム・パターンを刻み出す。 続いてマコちゃんがリズム部隊の2人を紹介。会場を埋め尽くしたファンの1人1人が自分の予感に確信を持ち始める。 そう、シーナの登場。 "Hello!"と飛び出したシーナは青のショート・パンツ・ルックに緑の上着。 もちろんシーナ・ヘア。曲は"Sweet Inspiration"。
 今の今まで圧倒的な存在感を持っていたマコちゃんだったが、このロックン・ロール・クイーンの登場に、一瞬Sheena & Rokkets (850618)にしてバック・バンドの一ギタリストになってしまったかのようだ。
 "Cry Cry Cry" "今夜はたっぷり" と曲は続く。ところがその1曲1曲ごとに彼女のイメージがどんどん変わってゆくのには驚いた。 「この思いがあなたに届くまで」と、まるで瞳の中に星でも持っているような夢見る少女が歌っていたかと思えば、次の曲では艶気ムラムラの妖女になり、ガキどものノーテンをかきまわし挑発にかかる。 まさにワカマツナデシコ七変化とはこのことだ。
 この女王様が城に戻ればマリーゴールドの3人の王女のために朝食を作ってやってるいることは(例えがチョイと古いかナ)、もう69、874回ぐらい言われてきたことだろうけど、イヤハヤ信じられません。

 浅田孟があんなにヤセた人だったとはついぞ思わなかった。それでもサスが、肩から腕にかけてはガッシリしているようだ。その浅田のベースと川嶋のドラムのコンビネイションが生みだすビートの強烈さと言ったら、 掛け値なし、それだけで充分楽しめるほどだ。
 もしも「リズム隊人気投票」というのがあったら、真っ先に「浅田&川嶋」と書こう、そう思ったくらいだ。 「リンコ&新井田」(RCサクセション)、「加部&吉長」(ピンク・クラウド)というのも各々捨て難いものがあるが…やっぱりトドメはこのコンビだ。
 博多のドラマー達が特に多用する叩き方にハイ・アットの代わりにフロア・タムで8ビートを刻むというのがあるけれど、もしかしたら川嶋一秀が元祖なのかもしれない。
 このコンサートの間じゅう俺の目は川嶋の手首スナップと浅田の右手の指、マコちゃんのアクション、それにシーナの揺れる腰、ほとんどこの4つに釘付けになっていたと言ってもいい。
 アンコール曲「この道」が終っても、「このままで帰ってたまるか!」という、あきらめの悪い(?)客達が再度アンコールを求める。一切ギミックなし純度100%ボルテージ度300%のライブはこうして終った。












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<原本発行 1985年8月20日/復刻初版 1998年8月29日/改訂二版 2000年12月29日>
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