the hakata rock & photo magazine BEATMAKS #8
SHEENA & ROKKETS
TO THE ROCK'N'ROLL PLANET !
From HAKATA with Love & Peace since 1981
 余談だが、俺には絶対観ておきたいライブ・ステージというのがいくつかある。内藤陳じゃないが「これを観ずに死ねるか」というヤツだ。マーク・ボランは俺が観る前に死んじまったからしょうがない。シーナ&ロケットは そのうちのひとつで、これまで何回もチャンスを逃したが、今回やっと夢がかなえられたというワケだ。
 あれからかなり日にちも経つが、原稿を書こうとすると、すぐさまあのステージのマブシい照明を思い出してしまった。100円シャープ・ペンシルが原稿用紙の上で浮ついてしょうがない。

 なに、行けばわかる。

鮎川誠インタビュー  ●田原一晃

Sheena & Rokkets (850618) 「うん! もうおかげで。リハーサルの時マネージャーに『練習不足やないですか?』やらおこられよったけど(笑)、お客さんのおかげで、もう。」

 マコちゃんはウレシそうだった。
 シーナ&ロケットがデビューして7年。今回が初めての全国ツアーというのは何とも意外だったが、地元のファンにとってなによりなのはその初日が福岡で行なわれたことだろう。 そしてその初日ライブは立見席までギッシリ詰めこみ、まさにツアーの幕開けを飾るにふさわしいライブだった。
 第3号でシーナ、第4号で浅田孟&川嶋一秀、そして今回いよいよ鮎川誠の番。
 コンサート終了後ということもあり、マネージャー氏からいただいた時間はそう長くはなかったけれど、それでもマコちゃんは取材に快く応じてくれた。 長身を祈るようにしてソファに腰かけた彼に「もうタバコはやめられたんですか?」と尋ねると、

「いやあ、この前ちょっと禁煙したんやけど半日しかもたんやった」

と笑いながら、ポケットから赤いマルコポロの箱を取り出した。


● レコード出した以上、聴いて楽しんでほしいね ●


 まず新作「メイン・ソングス」について。前作「ニュー・ヒッピーズ」リリースから半年あまりで発表されたこのアルバムでは、シーナのボーカルが前面的にフィーチャーされており 「ああ、やっぱりシナロケはウタだなあ」と、なんだか聴いてて楽しくなってくる。マコちゃんシーナがそれぞれソロ・アルバムを出し、 シーナ抜きのロケットだけで、作られた「ロケット・サイズ」を経て「ヒッピーズ」そして「ソングス」。 長い旅に出ていたシーナ&ロケットがようやく帰って来たような、そんな気もする。

「スポット・ライトをいっぺんどこかに当ててみようって思って。もちろん今回に限ったことじゃないけど、エルボンの "Sheena and Rokkets#1"を初めて吹き込んだ時からぼくたちの自慢できるところは『歌がいいじェ』『バックの演奏がしゃれとうじェ』 そんなことをずっとアピールしてきたつもりなんやけど。ひとつは今回わかりやすいのを作ろうかな、と思って。それでアルバムのタイトルも 「メイン・ソングス」にして、10曲ともバーン! とボーカル前面に出して。スタート・ラインに戻った……いつもいつもスタート・ラインなんやけどね、 やっぱりぼくら、レコード出した以上は聴いて欲しいけん。ターン・テーブルにそのレコードのせて。」
「ちょっと口が悪いかも知れんけど、今ロックの『値打ち』がゆわかってない人がロックをあれこれ評論するのが歯がゆかったりしてさ。 『シーナが5曲、鮎川が7曲歌った』とかね、そげなこと数えりゃわかる。ぼくらは命賭けて1枚のレコード作るんやけさ、 せめて『このコード進行は…』とか評論家の人が音楽そのものを楽しみながら、ぼくらのことを面白く紹介してくれればいいんやけど。 もうそんなんない時代やけんさ。ただレコード会社の受け売りのことばで『今回はポップで歯切れが良くなった』とかさ、全然ディグ(dig=掘り下げる) もされんし…。」
「以前は評論家に評論されるちゅうんはほんとドキドキするもんやったちゃ。ああ、どういうやろか、どう言われるやろうかちゅうて。 普通の人の意見ちゅうのも気になったけど、それだけ一目も二目も置いとったっちゃんね。 でも最近は、『じゃお前歌ってみろ。ギター弾けんやんけ、曲作りきる?』そういうことばしか出て来ん。ヒドイのが多い。」
「特にね、日本のバンドをどうしてみんなあんなに悪く言うのかねえ。向うのは英語やん。日本のバンドは日本語で書きよるやん。外国のマネしよるバンドばっかりやないけんね、 ほんと言うて。自分たちのことばを操って、何かを表現して、電気ギターを持ち出して、レコーディングして…誰も外国のマネやらしよらんのに評論家だけはいつまでも外国のを持ち上げて。 シーナが怒るね。コイツら何人や!? ちゅうて。」
「バンドのレースを見て欲しいんじゃない。ネズミ競争見物するんやなくて、バンドの連中はプロである以上、みんな音楽聴いてもらいとうてレコード出しよるでしょ。『今までの売り上げを抜いたぞ!』とか、 そんなんを楽しみにしている人も、まあいるんだろうけど、ぼくはあんまり信じられんちゃね。」
「やっぱお気に入りのバンド見つけて、ほんとに新しいニュー・カマーを見つけて、ギタリストの名前を覚えたり、どういうルーツ、どういうレパートリーを持っとうか、 曲は誰が書きようとかいな? メンバーかな? それともソング・ライター・チームの提供する曲を演りよう? とか…ロック聴きながらそういうのがぼくのアナザー・サイドの楽しみやったし、自分たちのレコードもそげんして 楽しんでくれる人に聴いて欲しいなって思っとう。」












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<原本発行 1985年8月20日/復刻初版 1998年8月29日/改訂二版 2000年12月29日>
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