the hakata rock & photo magazine BEATMAKS #8
SHEENA & ROKKETS
TO THE ROCK'N'ROLL PLANET !
From HAKATA with Love & Peace since 1981
ところでこうやってロックの話をしている時の鮎川誠の目は本当にキラキラしてる。 なんともクサい表現でどうもカッコがつかないけれSheena & Rokkets (850618)ど、彼と一度でも話をしたことのある人ならわかってもらえると思う。 まるでこっちが催眠術にでもかかってしまいそうな目だ。
そして彼の言葉の豊富さ。ステージでもどこでも彼が使うことばのニュアンスにはうなってしまう。 ホラ、例えばライブ途中のMCで、ちょっと恥ずかしそうに、でも普通なかなか使われないようなイカしたことばでメンバーや曲の紹介をする、アレ。 すると客席はまたまた盛り上がるんだ。

「う〜ん、そげなことはあんまり考えたことない。映画? あんまり見ん。本もそげん読まんね。いつもかつも同じことばっか言うとるのも好かんちゃ。……でも時たま自分のインタビュー読み返しよったら、 あっ、この言い方いいやん! いうのもたまにはあるけど。あんまり自分でそんなん考えたことないですね。」
結局ギターのアドリブ・プレイに似てるっていうことだろうか。
「そうですね。ほんとそうちゃ。でもギターのアドリブは…もうチョイ頑張らないかん(笑)。」

● ステージが自分の予定通りに進むなんて… ●

「ぼくもレコーディングで2回弾けんことをよくやるっちゃね。『今夜たっぷり』でもあとでビデオ作るでしょ。そしたら全然、何回聴いたちゃどう弾きよるかわからんフレーズとかあって。 だいたい使うノート(=音階)ちゅうのはクセなんかで決まっとるんやけど、微妙なところで『こげな音どうやって出したとかいな』とかある。なかなか画面と合わせるんが大変です(笑)。」
「例えばこんなのはぼくのあこがれやけど、ジョージ・ハリスンが"My Sweet Lord"のリフで(と口ずさむ)ちょっとタメたりして、絶対そう弾くでしょ、決ったリフを。ああいうのいいね! ジミ・ヘンドリックスでも誰でもそうなんやけど、どこでやったライブ聴いてもキメのフレーズが、やっぱりある。 俺も意外とあることはあるんやけど、もうチョイなんかフレーズなんよね。」


前述したように、シーナ&ロケット福岡ライブは圧倒的な盛り上がりを見せ幕を閉じた。
85年上半期、ぼくが見たギグの中でもクオリティ、ボルテージともに最高級のステージだったように思う。
それはやはりステージにスリルという空気−どこで何が起こるかわからない−が終始充満していたからだ。 ぼくも含めて客席のファンはマコちゃんが「ありがとう、気をつけて帰って下さい!」と言うまでその空気にどっぷり酔いっぱなしだった。
アーティスト、バンドに関してこれだけ情報があふれかえる中、全くスリルもヘッタクレもない、まるきり予想通りのステージを行なうバンドも少なくない。 客のほうにも「ここで腕をふり上げて、イェーと叫ぶんだぞ」などと「暗黙の了解」(?)がされている。 これじゃまったく儀式じゃないか!
「いかんね! そういうのオモシロない思うとるけん、お客さんああしてくれるっちゃないかな。 …今日もマネージャーと話したことなんやけど、予定調和ちゅうか、自分の予定通りにいくことがなんでオモシロいんかいな、いうて。ねえ?  もうバンドも練習してきたことをそのままやる、お客さんもさ、右も左も同じことをやっとる、ちゅうようなのは、オモシロないやん。 ロックからほど遠いことやと思うね。ロックバンドの特権だと思うっちゃん、無計画でいけるちゅうもんは。コンピュータのリズムに合わせる、 もう曲の最初から最後までビッシリ計画されたものも、まあ1回目は面白いけど、2回目は飽くね。 エレキは飽かんけんね。その瞬間瞬間に道を決められるやん、『よし1曲目あれいこう!』いうて。 浅田と川嶋に『ちょっとここ、こげん変えよう』て言やあ、すぐ変えれるし。自由ちゃね、ロックは。」

「自由ちゃね、ロックは」ということばを最後に宇宙船の船長は操作室へと戻って行った。 マルボロの吸い殻が2本、灰皿に残っている。








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<原本発行 1985年8月20日/復刻初版 1998年8月29日/改訂二版 2000年12月29日>
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