the hakata rock & photo magazine BEATMAKS #9
- BOOWY -
■ 布袋寅泰インタビュー ■ 構成:木之内次利 ■
From HAKATA with Love & Peace since 1981

BOOWY at 福岡都久志会館 (Sep.1985) リハーサル前、最後の調整が行われているステージをのぞいてみた。
 どんなコンサートの場合だってそうだけど、このリハ前あるいは開場前のホールの空気というのは、妙にくすぐったいような、浮いているような、変な気分にしてくれる。
 まず目についたのが何十本という蛍光灯群。ドラムスがのっかっている台を中心に縦にされた蛍光官が規則正しく、今はひっそりと並んでいる。天井からはあの"φ"を型どったオブジェがにぶく金色に光りながら吊るされている。
 向かって左からギターアンプ、ドラムス、ベースアンプが並び、当然マイクスタンドも立っているのだが、なんかいつも見ているステージよりもすっきりしている。そうか、モニタースピーカーがないんだ。三角柱を横にしたようなまっ黒なスピーカーが普通だったらマイクスタンドの足もと周辺に転がってるハズなんだけど今日はそれがない。とするとメンバーはどこからモニターするんだろう……ああ、多分両側のPAのそれぞれ内側にステージ方向を向いた、これまたPAほどの大きさのスピーカーがある。あれだ。
 これからここでBOOWYの博多初ステージが始まろうとしている。なのに今はなんという静けさだろう。スポットライトの光が当たる位置の確認をする数人のスタッフの声だけ、ただそれだけが聞こえる。


 「メロディとパワーと斬新なものと、それを全部実験的にやってみよう」ということで1981年ごろBOOWYは活動を開始した。「ごろ」といBOOWY at 福岡都久志会館 (Sep.1985)うのは、現在のバンドの母体となったグループとの境があまりハッキリしておらず、メンバー自身具体的な数字を覚えていないようだからだ。1982年3月アルバム"Moral"を発表。その時のメンバーは氷室京介(Vo)、布袋寅泰(g)、諸星アツシ(g)、松井恒松(b)、深井和明(Sax)、高橋マコト(ds)、の6人だった。諸星と深井脱退後4人、つまり今のメンバーになったBOOWYは1983年9月2枚目のアルバム"Instant Love"発表。
そして今年に入ってベルリンでサードアルバムのレコーディングを開始、その結果約1年9ヶ月ぶりに"BOOWY"を発表。サードアルバムにして初めてタイトルを自らのバンド名にしたことからも、自分たちの姿勢、方向性に対する自信のほどがうかがえる。
今回はそのBOOWYのギタリストである布袋寅泰に、短かい時間ではあったがインタビューを試みた。
9月17日福岡都久志会館楽屋。「長崎と北九州は行ったことあるんだけど、福岡っていうか博多は初めてなんだよね。いっぺん博多の人間の前でライブやってみたかったんだよね」

■さっきステージをBOOWY at 福岡都久志会館 (Sep.1985)ちょっとのぞいてみたんだけど、結構大がかりなセットですね?あれは蛍光灯でしょ、タテに並んでたヤツ。
>そう。ひとつ前は名古屋だったんだけど、ちゃんとああいうふうにセットを組んで本格的にやるのは今日からなんだ。キレイでしょ?

■ああいう演出ってのはメンバーが考えるワケ?それとも……
>うん、メンバーみんなで話し合ってコンセプトを決める。実際に制作するのは、そりゃもちろんスタッフだけどね。今回のツアーでも全部同じセットで通したいなってことで、どんな遠くの会場だってあれをぜんぶ運ぶんだ。

■そういった照明とか、演出の部分にはかなり凝る方なのかな?
>やっぱり音だけの時代じゃないと思うし。かと言って音をおろそかにするなんてとてもできないことだから……一番いいバランスを見つけだせればそれでいいことだからね。やっぱショーアップされたステージって好きだしさ、見てて楽しいから。

■ところでサードアルバムのことなんだけど、タイトルがそのままバンド名になってるよね?
>1枚目2枚目っていうのは、ある程度アルバムそのものに対するコンセプトがあったワケで、それがモラルについてだったり、社会批判だったりしたんだけど、今回はごく正直にストレートに俺たち自信を反映させてみた。歌詞にもサウンドにも。どこを切ってもBOOWYだっていうふうにね。それに加えて事務所もレコード会社も変ったことだし、心機一転!(笑)みたいなことも影響してる。

■BOOWYってバンドの存在そのものがコンセプトになってるということかな?
>そうだね。

■だから内容も今まで以上にカラフルになっているのかな?だけど考えてみるとそういう、ある種実験的な試み――なんでも吸収してしまうってのは、BOOWYのもともとのコンセプトだったワケでしょ?
>そうなんだ。だから例えば俺たちがデビュー間もない頃につけられたイメージが「ビートバンド」――それが良い悪いってワケじゃないとしても、もしそれに縛られて自分が好きなこと、本当にやりたいことができなくなるって辛いじゃん?だからなんとかそのワクを押し広げなきゃなんないからね。曲を作る上でも商業的な意味においても。だから最近じゃ俺たちがどんなにポップな曲やろうと、「えーっ、ちょっとポップすぎるんじゃない?」なんて声は聞かれないしね。













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<原本発行 1985年10月20日/復刻初版 1998年10月9日/改訂三版 2004年3月30日>
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