the hakata rock & photo magazine BEATMAKS #9
- BOOWY -
■ 布袋寅泰インタビュー ■ 構成:木之内次利 ■
From HAKATA with Love & Peace since 1981

■さっき「ショーアップされたステージが好き」って言ってたけど、エンタティンメントとしてのロックをどう考えてるのかな?
>基本はやっぱりエンタティンメントでしょ。その中にいろんな要素が含まれてる。例えば「根性」(笑)だとするじゃない?見る側はそれをエンタティンメントとして見てるワケだし、例えばすっごい知的な人が知的なことをしたら、その知的なことがエンタティンメントとして見られるワケでしょ?だから俺たちにしても「さあこれからエンタティンメントするぞ!」なんて特に思ってやってるワケじゃないからね。

■去年の6月だったか駒沢大学でモダンドールズと共演したことがあったでしょ?
>えーと、ああブルートニック(&ザ・ガーデン)なんかも出たやつ。九州のバンドって好きなのが多いよ。なんか硬質でヨイじゃん。モダンドールズもロフトとかに観に行ったことあるよ。なかなかオシャレでさ。あと….前ハイヒールってバンドあったじゃない、あれも好きだったし、今はゼロスペクター?今度こっちで一緒にやる予定があるんだけど。まだ観たことないんだけど評判いいみたいだから楽しみなんだよね。

■なかなか詳しいですね(笑)
>うん、プロアマ問わずいろんなバンドに興味あるよ。特に若いバンド。俺今23才だけどプロのバンドって俺と一緒か上の人が多いじゃない、年が。だって俺が17、8の時なんてやっぱすごいエネルギッシュでさ、いろんなモノに対して敏感だったから、今の17、8の子なんてさ、パンクが出て、ニューウエイブが出て、ダンスミュージックうんぬん……の後の感性ってものを持ってるワケでしょ。すごく興味がある。

BOOWY at 福岡都久志会館 (Sep.1985)■ところで"BOOWY"の"φ"だけどステージのデコレーションなんか見るとシンボルマークみたいな使い方されてるでしょ?やっぱりアレは「空集合」って意味もある…….。
>そう「どこにも属さない」とか、なんにも気にしないっていう。俺が自分で言うのも変だけど、メンバーである俺自身から見ても、BOOWYって他のバンドより変ったバンドだと思うんだよね。

■いろんなバンドがあるけど、その中でエアポケットというか盲点というか……誰も今まで気づかなかった部分をやってるバンド。
>変わったというか、不思議なバンド。それは俺と氷室のコンビネーションだったりとかリズムセクションの組具合とかで表面化してくるもんなんだろうけど、言葉にして言えば「ちぐはぐ」なって言うかさ。俺にしろ氷室にしろ、最近なんでも客観的に見ちゃうからさ、例えばバーンとバンドすることだけに燃えちゃって、「よーしそいじゃこれからはジョニーサンダースだあ」かなんか言って、メンバーみんながそういう意識になっちゃうってのはよくないと思うのね。バニーメンだって言ったらバンド全体でもうバニーメンになっちゃうとかさ。それをバンドのカラーにしてしまうのなんていいバンドとは思わない。そうじゃなくて、やっぱりメンバー全員ひとりひとりが独立するべきだと思うしね。そっから始まんなきゃなんないと思う。

BOOWY at 福岡都久志会館 (Sep.1985)そしてこの4時間後、あの静かだった会場は、BOOWYのライブをひと目見ようとやってきた観客に埋めつくされ満杯になった。テーマミュージックが、それまで流れていたSEよりもひときわ大きく鳴り響く中、4人が登場。ステージ中央に整列したこの4人を明るすぎるくらいのスポットライトが照らし出す。と、それまで不思議なくらいおとなしく座っていた客がセキを切ったようにステージめがけてなだれ込む。!
普通ヘヴィーメタルのライブでしか見ることのできないようなツーバス・ドラム。その上に並んでいるのは、こりゃまた珍しいロートタム。ここで造り出されたリズムの原石に磨きをかけるのが、終始シカメッ面をした松井(とうとう彼はライブの間じゅう少しも表情を変えなかった)のベース。新鮮な音だ。
布袋寅泰は縦横無尽、荒唐無稽、ありとあらゆる音を1本のギターからしぼり出す。ストリングスのようなキーボードが聴こえたのでテープかなと思ったら布袋のギターだった。
ステージも半ばにさしかかったとき、メンバー全員がステージから退場。するとまもなく布袋ひとりが手ぶらで登場。突然カラオケテープが鳴り出し、彼は歌い始めた。今回初めて、ただ1曲だけ彼がリードボ−カルをとった「ダンス・クレイズ」。何が何だか状況がよくつかめなかったような客席が、再び激しく揺れだす。
そんな彼らのサウンドを、ちょうど客席中央あたりでミキシングしているのがマイケル・ツィマリング。ベルリンでのレコーディングにミキサーとして参加した彼は、このBOOWYツアーのためにわざわざ来日しているのだ。心なしか音がレコードの雰囲気に非常に近く感じる。
これが当地初ライブとは思えないほど会場全体すごいノリ。それを「いや〜博多の連中ってのはもっともっとクレイジーだって聞いてたけどな!」とアオル氷室。シングルカットされた"Honky Tonky Crazy"で何百人もの人間が一度にイッてしまった。


■"BOOWY"は全く新しいタイプの「ロックンロールバンド」である。■












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<原本発行 1985年10月20日/復刻初版 1998年10月9日/改訂三版 2004年3月30日>
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