the hakata rock & photo magazine BEATMAKS #9
Review! Gigs #9 - September 7,1985 -
March Of The MODS at 新宿 STUDIO ジャム
From HAKATA with Love & Peace since 1981









 夏頃だったか、佐野元春が担当するNHK−FMの番組でネオ・モッズ族が紹介されたことがあった。彼らが運営するラディエイト・レコードからは今年初め4曲オムニバス版 ”Les Enfants Terribles”(恐るべき子供達)がリリースされており、番組ではその中から何曲かがオンエアされると同時に、ミニコミ発行などの活動内容が紹介された。その活動のひとつとして一月に1度の割で開かれているギグが、この ”March of the Mods”である。
 偶然にも前の晩、テレビの深夜映画劇場で放送されたのが、ネオ・モッズ族のバイブル的映画というべき ”Quadrophenia(四重人格。邦題は「さらば青春の光」)”とは、少々出来すぎてるよな〜。(ちなみに俺はこの映画、テレビでは初めて見たが、声の吹き代えはまあ許せるとしても、カットの仕方があまりにヒドすぎた。何年か前 ”Blues Brothers”がオンエアされたときもそうだったが、ありゃなんとかもう少しマシに出来んもんかね?)
 スタジオ・ジャムは明治通り沿いの地下にある。正面の歩道橋の階段の下には、ああ、あるわあるわ、バック・ミラーとフォグランプをとにかく付けれるだけ付けた、ピカピカのべスパ・スクーターが数十台。途端に昨夜の映画を思い出してしまう。地下に下りていってドアを開けると、これまたいるわいるわ、3ッボタンスーツにピルヘッド、細いズボンにトンガリ靴のモッズ達。女の子はほとんどがミニのワンピース。市松模様(ツー・トーン)からサイケまでなんでも来いだ。靴なんかその昔、南沙織が履いていたようなヒールが太いヤツ。全くの普段着で参じた俺は完全に浮いちまったぜ。(しかし映画の中で主人公のジミーが言うには「俺は人と同じ格好なんか絶対にしたくない。だからモッズなのさ!」とのことだが、それにしちゃ東京に限らず聖地ロンドンのモッズもみんな似たような格好してるなあ。個人主義の殿堂フランスにもモッズはいるってんだから。ヨーロッパ人の一番嫌ってるハズの「群れ」をなして歩いてるわけ。わかんねえよね〜)
 5グループ出演したうち最高に歓迎されたのは神戸から来たトリオのザ・ブライトン。残念ながら地元東京組みがあんまり元気なかったのに比べ、このブライトンは跳んだりハネたり汗まみれの大熱演。中でもスモール・フェイセスのカバーは大ウケに次ぐ大ウケ。 ユニオン・ジャックのジャケットに身を固めたオニイサンがモズライトのベース(!)を弾きまくるザ・ハイスタイルも結構楽しめた。ボーカルとサウスポーのギタリストが女の子なんだけど、特にボーカルのコなんてメイクまで60年代風。ここのドラマーがまるでキース・ムーンみたいに曲のイントロと言わず歌のバックと言わず、とにかくタイコというタイコを叩きまくる。これはなかなか豪快だった。
 あともうひとつ最後に出た ”The Brooks”(ブルークス、でいいのかな?)はブリティッシュ・ビートというよりはGSプラス60年代サイケ歌謡(?)を披露。全部オリジナルらしかったけど、各曲のリフがなんともダサキモチよかった(=ダサいんだけどなぜか変に気持ち良く、おまけに耳にこびりついて離れない)。
 ほとんどギグというよりは東京ネオ・モッズ族のリポートみたいになってしまったけども、それにしても女の子達が履いていた靴のカタチが、どうもまだ頭から離れないねえ。




(東京凡太)
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<原本発行 1985年10月20日/改訂二版 2005年2月14日>
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