|
今またギタリストとしてのボルテージが
高まってきてるんですよ。 ■ 土屋昌巳 interview ■ |
◆前作の"Rice Music"と今回の"Tokyo Ballet"という2枚のソロ・アルバムを比較すると?
土屋:それはもう決定的な違いがありますね。"Rice Music"は完全に自分に向けたレコードだったワケですが、今回はその逆というか、聴き手、つまり「相手」がいて初めて「表現」というものが成り立つんだ、という原点に立って作りましたから。 ◆作詞のクレジットが10曲中8曲竜真知子さんとなっていますが(うち1曲は土屋氏との共作)、竜さんといえば歌謡曲の方面で活躍なさってる方ですよね? 土屋:竜さんとはもう知り合ってから長いんですが、日本の職業作詞家としてああいう位置にいる人って彼女しかいないんです。NOBODYの相沢(行夫)さんの奥さんなんですが、ああやって作曲家と生活しながら自分も職業として詞を書いてる……なんていうか、音楽が出来る過程がわかっている唯一の作詞かなわけです。だから変に説明しなくても、簡単なデモ・テープでもって「ああこういう 世界がやりたいんだな」とか「これはちょっと力を入れてるみたいだから相談しに行ったほうがいいな」とか竜さんの方で判断してくれるし。今まで全部僕がやってきたんだけど、他の作詞家の人に頼もうとしたとき、僕が納得できる詞を書ける人っていうと、僕の回りでは竜さん以外に思いつかなかったっていうのもあります。◆ギターのクレジットが書かれてないんですが、もちろん土屋さんが弾いてるワケでしょ? 土屋:ええ全部僕です。あとイミュレーターとかシンセとか、ベースも弾いたな(A -3 "Like a Foreigner"ほか)….自分のことは忘れちゃうんですよね(笑)。ベーシックな部分は全部自分でやって、あとでミックス・ダウンのとき削るっていう方法。 ◆今までの作品――――、一風堂のものにしろ、ソロにしろ――――に比べて、音の構成が格段にシンプルになりましたね? 土屋:それはもう……音のスキ間に「時間」を入れこんで、なんていうか「たゆとう」って感じありますよね?そんなのが出せればいいなって思って。幸運にもそういう感想を聞かせてくれる人が何人かいて「これを聴いてるときだけ時間がゆっくり流れるような気がする」ってね。そういうのすごくうれしいし。音が鳴ってない場所ってありますよね。ヘッドホンなんか使って聴くと音のスキ間が見えるように作ってあって、そこに聴いてる人がいろんな絵を書いたりとか、「時間」を感じたりとか……だから一応録音はしたものの実際には使ってない音ってのがずいぶんありますね。ゼイタクと言えばゼイタク(笑)ですね。 ◆今後もそういった感じで……。 土屋:イヤ、レコーディングの方法は別にして、今一番やりたいのはガレージ・サウンドっていうか、初期のトーキング・ヘッズやテレビジョンみたいな。昔っからああいうのやりたかったんだけど、なかなかチャンスに恵まれなくて……ああいうのは時間かけないと無理なんですよね、実は。簡単そうに聴こえるけど。 ◆じゃ一番最初の一風堂のような? 土屋:もっとシンプル。それが出来たら、あとはもうブライアン・フェリーのような存在になりたいですねえ。"Avalon"とか"Boys & Girls"のような作品……あれはもう、なんといか時間のウネリみたいな……あのサウンドを狙うんじゃなくて、シーンの中での存在……。結局ロック・ミュージックがこの先続く限りああいう本質的なものっていうのはもう不動っていうか、ナニが来たって大丈夫(笑)なワケでしょう。 <次頁へ続く> |
|
||
|
|||