the hakata rock & photo magazine BEATMAKS #10
THE KIDS 桐明孝治ショート・インタビュー
ピンチに陥ったときは、とにかく新曲をつくる。
それがキッズ流の打開策なんよね。
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KIDS 桐明孝治 at VIVRE屋上 (85.10.10)「今まではライブに波があった。出来不出来の差が激しかったわけよ。でも最近それがなくなった。毎回かなり自信がもてるようなライブができるようになってきた。」
2日前までカゼで寝こんでいたという桐明孝治。まだ本調子じゃないけどね、、と笑いながら語ってくれた。
ベースに川口ユージを迎えてからのザ・キッズは、徐々に進んでいた音楽性の変化と前後して、それまでのトリオというスタイルにこだわることなく、曲によって、またステージによって自由にセッション・メンバーを加えるようになってきた。例えばギターにヒートウェイブの山口洋、ロジャーのリュージを迎えてライブを行ったり"Sunset Calling""Dancer"のレコーディングに田中ミツルのグループからキーボーディストを呼んだり……。
そうした中で発表される新曲にはそれまでのストレートなロックンロールとはかなり趣きを異にするものが少なくない。しかしそれらの曲は"HI−TO−HA−TA"や"Noise"を聴いてキッズを支持してきたファンにもすんなりと受け入れられている。
今回の桐明孝治へのインタビューは、そんなザ・キッズの現状報告という感じでキャッチしてもらえばいいと思う。


まず現在セッションをしている2人について話してもらった。
「キーボードの西村直人はダズマティックスのメンバーでね。彼とあとボーカル、ギターの3人でブラック・コンテンポラリーがかったエレクトロ・ポップっていうか、そんなのをやっているバンド。ドラムマシンとシーケンサー使って、そりゃキッズとは全然違うことしよる。あるコンテストに出てたのをね、うちの寺山が目をつけて、それで誘ったわけ。ギターは上村さんていう、北九州で南浩二(人間クラブ)さんとかとやってたことのある人。俺たちが"Noise"のテープ録音したときにそこのスタジオで知り合った。2人とも、もともとジャズ畑出身なんよね。」
ギタリストを入れたい、という切望は音楽性が変化する以前からバンド内にあった。一時は元ギタリストの川口がベースから転身するというハナシもあったが、「俺のギターはキッズには合わん」という彼自身の意見でボツになったらしい。
「新しいギタリストが見つかるのと、新しい音楽をやり始めたのと、時期が偶然重なった。」と桐明。

ところでジャズ畑の人間とキッズがセッションするというのは?
「今キッズがやってる曲というのが、そういうミュージシャンを必要とするというか……新曲がパッと頭に浮かぶやろ?そしたらそれをプレイするのに、それまでのロックンロールのための知識とかノウハウだけじゃどうもイメージ通りにいかんワケ。例えば"Cynical Summer Night"とかレコードにしてもリズムにしても、それまでの俺たちの曲と全然違う。で最近は俺自身ソニー・ロリンズとかヘレン・メリルとかのレコード聴いて勉強したりね。例の2人ともジャズの人間だったっていうことなんやけど、今言ったみたいな理由で彼らの持つセンスっていうか、すごく役立ってる。」
以前ライブ開演前のSEにグレン・ミラーを使っていたこともあり、もともとその方面に興味はあったようで、TVの「トムとジェリー」のバックに流れるジャズ・ナンバーなどは大好きだそうだ。このようにしてジャズ、ボサノバ…のエッセンスを注いだ新曲が、たちまちファンに受け入られたことを桐明自身はどう思っているのだろう?
「俺たちは例えば"HI−TO−HA−TA"をプレイするときと全然変わらんムードで新曲をやっている。…やっぱりね、今まで培われたものかなんか知らんけど、ジャズみたいなアメリカ産の音楽のエッセンスを取り入れても、どうしてもブリティッシュ系の音になってしまうんよね。UKジャズ(笑)。だから今までとは毛色の変ったことイキナリやっても"バラエティ"っていう言葉で済まされところはあるかも知れんね……。」








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<原本発行 1985年12月20日/復刻初版 1998年9月17日/改訂三版 2004年4月21日>
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