the hakata rock & photo magazine BEATMAKS #24
SYSTEM in SYSTEM
- ARB interview MAY 5,1988 -
From HAKATA with Love & Peace since 1981
●最近そういう音が見直されてますね。
石橋=俺達がストーンズ、ビートルズから入ったように今の人はパンクやNWから入っているからじゃないかな?
白浜=でもこれはパンクのストレートさじゃないね。

●前作が結構凝ったアルバムだったのにどうして今回シンプルなギターサウンド中心の音作りになったんですか?
白浜=ギターサウンドどうこうの問題じゃなくて新しいメンバーになってまた俺達は一からスタートするんだ!という意識が凄く大切だと思う訳。それまで作り上げてきた物を壊してしまうのは凄く大変な事だと思うけど、ARBはメンバーテェンジする毎にそれをやれてきたバンドだと思う。まずそれをやらなきゃいけなかった。つまりRock Over JapanもOne&Only Dreamsもあの中の曲をライブで演る事はあってもアルバム自体としては過去のアルバムでしかない訳。このメンバーになって、さあ何をやろう?という話になった時にRock Over Japanを抜くアルバムを作ろうとか、あの路線で行こう、という話は全然無かった。それは浅田孟に対して失礼だし、そういう事はやりたくなかった。俺達が30になってもう一度一からやろう、という意識は10代の時の意識よりも20代の時の意識よりも強いものがあると思うんですよ。この年になってゼロからスタートする訳だから。

ARB at 福岡サンパレス (1988.5.5)●全部ブッ壊してしまってゼロから始めるという事ですか?
白浜=いや、そういう意味じゃないんだ。どんなに壊しても絶対壊れないものってあると思うんですよ。それがとっても大切なものだと思う。ARBが昔から繰り返してきたメッセージもそれだし、シンセがいくら入ってもギターサウンドに変りはないでしょ。それはこれからも絶対変わらないと思う。

●30才と言えば昔ヒッピーが流行していた頃30才より上の人間の言う事は信用するな、という言葉がよく言われましたけど、現実にその年齢になってみて如何ですか?
石橋=この間カメラマンの人と話しているときにたまたまその話になったんですよ。確かにDon't Trust Over30という言葉はあるけど逆にDon't Trust Under30という言葉もあると思うんですよ。10代20代30代といろんな人間がいるけど大きく二つに分けられると思う。30代にも進化してないのか退化したのか知らないけれど意識がどこかで止まっている人が半分いるとすれば、残り半分はどこかでPlease Trust Meと言ってると思う。別にロックに限らずいろんなジャンルの人でもストーンズ、ビートルズ、ウッドストックを経験してきた30代は違うんじゃないかな。俺はその枠に入りたいね。

●Don't Trust Over30という言葉を聞いて育った人とそうでない人の違いですか?
白浜=あの時代の若者ってごっこだったかもしれないけれど、レジスタンスしてたじゃない?ところが今の若者はレジスタンスごっこさえも出来ずに週末とかクリスマスに彼女と高級ホテルのスイートルームで過ごす金を作る為に一生懸命バイトしたり、カードを作ったりしている訳だよね。俺達の若い頃とは全然違うと思うよ。

●そういう意味で今の日本のロックシーンについてどう思いますか?
石橋=さっきそういう状況が解る人と解らない人がいると言ったけど、それが解っていて未だにSex,Drug&Rock'n Rollと言うのなら良いんですが、Rock= Sex,Drug&Rock'n Rollと単純に言っているんだったらもう終わっているんじゃないかと思いますね。一番最前線にいないといけない人種なのに凄く退化しているような気がする。そんなの攻撃的でも何でもない。確かにロンドン仕立てのスーツを着たりこの辺にアクセサリーをジャラジャラぶら下げるのはうまいと思いますよ。そういう服を揃えたらその日からロック人みたいな顔は出来るけれど意識は段々退化しているんじゃないかと思う。

●ところで最近海外では大物バンドの復帰が多いそうですがそういうのは刺激になりますか?
石橋=そうですね。この間ある雑誌に載っていたんですがプリテンダーズのクリッシーハインドのインタビューが面白かったですね。彼女によると今は新しいバンドとか今からロックミュージックやろうとしている人間は2年周期で考えている。家建て車買って後はスッパリ足を洗って違う職業につく所まで考えてからレコード会社に契約に来ると。今はロックミュージックをパロッているんだ。だからそれは何のパワーも持ってない。という意見でしたが僕もそれに近いですね。ロックを定義付けする事は出来ないけれど、自分の中ではやはり正座するものじゃなかったり第一ボタンを留めるものはロックじゃないという意識があるんですよ。それなのに最前線に居て常にアンチテーゼしなきゃいけない人間が時代に平行して流されているような気がするんです。ウッドストックの時代はあきらかにミュージシャン以外でも普通の人がパワーを持っていたと思うんですよ。それが一回ぶつかってちょっとやそっとじゃ体制は壊れないという事がわかった訳ですが、それがいつの間にか逆転してしまったんですね。例えポーズでも昔はキチンとスーツ着てネクタイ締めてこれが良い行いですよ、なんて平気で言ってた人種が今はSex,Drug&Rock'n Rollと煽ってる訳です。それに対してそれと平行して走っても何もパワーは生まれないと思うんですよ。

●むなしいですね。
石橋=むなしいけれどそれが商売になっているから成り立ってしまう。












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<原本発行 1988年6月20日/復刻初版 1999年1月28日/改訂三版 2004年4月21日>
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