the hakata rock & photo magazine BEATMAKS #26
Live Hakata #26 - October 9,1988 -
サッドカフェ、グレイ at 西新JAJA
From HAKATA with Love & Peace since 1981









 西新と言えばなんといってもはるばる糸島半島方面から季節の魚や干物や野菜や果物や花などバラエティ豊かな商品を持ってきて車が進入禁止になった商店街の一角にズラリと並んで主婦を相手に商っているリヤカー部隊が有名だが、アンジーの水戸やARBの白浜久の母校である西南大学やアクシデンツの原島の母校である西南高校があるように市内でも有数の文教区で、つまり街を歩けば学生の数が異様に多いような気がする。
 西鉄福岡駅の隣りという福岡で最も地価の高いであろう一等地に立つ地場有名デパートの岩田屋が数年前西新に支店を出した頃から歩道をレンガで覆ったり外灯を整備したりしてちょっと垢抜けたような気だするが、買物客でごった返す夕方に一歩路地裏に入ると相変わらず特価品に群がるオバサン・パワーを見せつけられてまだまだこの街が庶民の街である事を物語っている。なんだか前説が長くなってしまったけど、結論を言えば俺はこの街が好きなんだよ。こういうごった煮っぽい雑多なエネルギーの中に自分を置いているとなんとなく元気になってしまうから。
 ジャジャ(JAJA)はこの西新の町にすっかり溶け込んでいるようなライブハウスだ。狭い路地裏に解りにくい看板、おまけに店は二階にある。ロックのライブよりはブルース、ジャズなんかが似合いそう。現在のオーナーの石橋さんはヒーコンの石橋さんの兄貴に当たる訳だが、この二人は昔マグネット・ブラザースなるバンドで学園祭シーズンになると大暴れしていたそうだ。
 肝心のライブだがサッド・カフェは名前だけ聞くと佐野元春風だが、ビートルズみたいにコーラス・ハーモニーを大事にした3人編成のバンドだった。最初はドラムがボーカルだったのでCCB(失礼)みたいだな、と思っていたがその後ベースも歌いだし3人誰でもメイン・ボーカルが取れるということを証明して見せた。まあここまでは良かったが、ベースとギターが互いの楽器をチェンジする段になっては思わず目が点!になってしまった。なんでも急にベースが辞めた為の苦しまぎれのアイデア(ベースを弾きながら歌うのはとっても難しいのです。だからメイン・ボーカルをする時はもう一人にベースを弾いて貰う訳)らしいが、早いとこ新しいメンバーを捜した方が良いのでは。福岡出身のバンドにもチューリップという大先輩もいる事だし、無理のないポップなメロディ・ラインを活かしてマイペースで活動して欲しい。この日のライブではイーグルスの「呪われた夜」を連想させる曲が良かった。
 次は若手ビート・バンドのグレイ。白でも黒でもないっつうか、どちらの色にも染まらないという意味がバンド名に込められているそうだ。とにかく元気が良いのだけれど特にベーシストが全体のノリを出そうとしている所が気に入った。このバンドは自分のバンドのプロモーションにも熱心でまめにチラシなんかも作っているみたい。色気のあるビートを感じさせてくれるようになったら今一歩抜け出して福岡でも面白い存在になるかもしれない。



(Y.T)
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<原本発行 1988年12月20日/復刻初版 2007年2月25日>
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