the hakata rock & photo magazine BEATMAKS #28
A-SIGN DAYS
- ARB 石橋 凌 interview -
From HAKATA with Love & Peace since 1981
●こういう時代があったという事を知って欲しいという事なんでしょうか。
 最初に監督と会った時に「あの時代の事を笑い飛ばしたいんだ」と言っていましたからね。取り敢えずフェンスも出さないし、軍用機も出さないけれど、戦争やそれに隣接した所にいた人間の生活まで表現したかったそうです。

●戦闘シーンの無い戦争映画ですか?
 ええ。それが解る人と解らない人がいるでしょう。単なるラブ・ストーリーととる人もいるかもしれないから。

●役作りの面はどうでした?
 結構難しかったですね。僕が演じた役柄が狂気じゃないんですよ。セックス、ドラッグ&ロックンロールが一番激しかった時代だし嫁さんは殴る蹴るだし、兵隊とはもめ事起こすし、ギャラがもの凄く良いんだけどそれを一晩で賭けビリヤードに使ったりするけど、全てに正面からぶつかっているだけで狂ってる訳じゃないんですよ。そのエネルギーはちょっと想像出来ないですね。

●凄い時代だったんでしょうね。
沖縄独特のストーリーじゃないですかね。

●最後にリクルート疑惑についてはどう思いますか?
 これからも同じ様なことが続くんじゃないですかね。僕等がFACTORYというノンフィクションで作った歌を出し頃ロッキード事件が起こりましたからね。昔より面の皮が厚くなってきているだけ。テレビに出ても「別に悪い事じゃないよ」と開き直る様になりましたからね。そういうのって終らないんじゃないかと思うんですよ。もちろん外国にもスキャンダルはあるし、誰かが色気に負けて国の重要な秘密を漏らしたりするけど、今度の場合手を染めてない人がいないという位構造的なものですからね。こんな御目出たい国ってないですよ。普通だったら政権党内部で交代があるんだろうけど、主要メンバー全員なんらかの関わりがあるから交代出来ない。

●野党は野党で自分にも非があるし、例え政権が来たってそれを担当する能力があるかどうか誰にも分からない。(笑)
 それと直接関係ないけれど歌を歌うとか人と話す事には学歴なんか要らないじゃないですか。アフリカの子供達が学校行って歌っているかといえばそうじゃないでしょう。それがこういう事を歌にすると難しいバンドだとか、大学出ですか?とか、社会派バンドと言われるんですよ。

●ロック・バンドって差別されてるんじゃないですか?タクシーの中やお茶の間でも話題になるような事なのに。それとも人並の事をしちゃいけないのかな?
 未だにセックス、ドラッグ&ロックンロールを唱えればカッコ良いんだ、と言う風潮があるでしょう。しかし60年代から20年も経っているんですよ。体制側はもっと複雑になってズルくなっておまけに開き直っているのに、こっち側はなんら変わってない。あの混沌とした時代に沖縄の兵隊相手にセックス、ドラッグ&ロックンロールを唱えるんだったらパワーあるだろうし、カッコ良いんだけど未だにその意識なんですよ。

●セックス、ドラッグ&ロックンロール自体がファッションかもしれないですね。
 今の日本のロックンローラーって何人かになろうとしていると思いませんか?イギリス人とかアメリカ人とか。

●昔R&Bが流行していた時は黒人に生まれたかったという人がいましたけど。
 そんなの生まれないって。(笑)あんた日本人なんだから。

●ロックも芸能としての一面を持つからその時々の風俗や社会現象と切り離せないと思うんですよ。それを否定したら歌舞伎の様な伝統芸能になってしまうんじゃないですかね。
 でも歌舞伎の人ですら今は「もう崩していきたいんだ」「もっと新しい物を取り入れていきたいんだ」と言ってますよ。別に勉強なんかしなくてもこれだけ情報が発達していたら耳に入って来ない訳がないじゃありませんか。その辺は意識の問題だと思うんだけど、ファッションだけは敏感なくせに自分の生活に直結している事に対して「せからしい」と言って無関心決め込むのはカッコ悪いと思う。いくら外人みたいなヘアー・スタイルして良い服着てもそれはすごくカッコ悪い事だと言いたいですね。



Apr.1989/福岡市民会館








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<原本発行 1989年6月20日/復刻初版 2000年2月6日/改訂三版 2004年3月31日>
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