the hakata rock & photo magazine BEATMAKS #31
Live Hakata #31 - December 14,1989 -
ムーン・ビームス/カバチ at ハートビート
From HAKATA with Love & Peace since 1981







  ムーン・ビームスは元99&ハーフのギタリストの柿木を中心に結成されたトリオ編成のバンド。フィール・グッドの影響を感じさせるカッティング主体のハード(この言葉は激しい、というより強い、堅い、という意味で使いました。どんなにワイルドに見せつけようと、所詮メタル系のハードさがテクノロジーを背景にしたアンドロイド的な音がするのに比べ、もっと原始的かつ人間臭いワイルドさがあると思う)かつ粘りのあるギター・ワークでシナロケの鮎川誠や今は無きマーキーズの穴井貴恵子などと共通する匂いを漂わせる所が彼の持ち味だったが、自分でボーカルを取り楽曲も手掛けるようになってからは若干の変化が起こったようだ。
 ギターの音も元テレビジョンのトム・バーラインの様な透明感のあるエッジの利いた音色に変り、ベース・ラインで曲を引っ張り、語りっぽいボーカルをかぶせていくパターンはヒートウェイブなどもお得意とする所。トリオ編成でギターがボーカルを兼任する場合こういう形になるのは宿命なのかもしれません。個人的にはファンクっぽく動を感じさせるダイナミックなバンド・サウンドを目指して欲しいが、広がりのある音を求めて内相的な方向に向かうのも悪くない。
 エピック系の新レーベル、ライフ・サイズから4曲入りミニ・アルバムを出したばっかりのKabachだが、福岡に来るのはこれが初めてではない。本誌2号や13号に彼等のアマチュア時代のライブ・レビューが載っている。バンド名は彼等の出身地、広島の言葉から取ったそうだ。ただ、それをカタカナや平仮名で表記せず、ローマ字を使って記号化する事でローカル色を消している所は長崎出身の横道坊主がOD-BOWZになるのと同じ原理なのだろうか。
 黒の衣装で統一し、エレアコのギターがサウンドのキャラクターを決めている所にUKのネオ・アコースティック派のバンドやNYアンダー・グラウンドに近いセンスを感じた。演奏は全体に繊細なタッチで攻めるのだが、流石プロ、音圧感が全然違う。1曲目から12弦ギターの弦を切ってしまう程の張り切り様や「東京からヒートウエイブに借りを返しに来ました」とうい発言を聞いて福岡に対する彼等の思い入れみたいなものを感じてしまった。タムタムが一個も無いシンプルなドラム・セットや派手さのかけらも無いフィル・インにこのバンドの美意識みたいなものが表れているみたい。スネアの16分打ちがやたら印象に残りました。大好きだというテレビジョンのカバーでFrictionをやってくれたのが嬉しかった。普段はめったにやらないというアンコールもあったし、充実したライブだったと思います。




(斉藤)
本掲載記事内容及び掲載写真の著作権は別記が無い限り全てビートマックスに帰属しています。
無許可ダウンロード等による本文や写真の複写転載及び二次利用等は固くお断り致します。
<原本発行 1990年1月20日/復刻初版 2008年2月20日>
http://www.beatmaks.com/magazine/


the hakata rock & photo magazine BEATMAKS #31



copyright (C)1990 & 2008 Hakata BEATMAKS Studio